企業にとって営業や販売促進に欠かせないカタログは、魅力的な製品やサービスを一度に見せることができ、様々な写真やイラストでお客様の理解を深めて購買意欲を刺激します。
さらに、お客様の好奇心を刺激して新たな需要に気がついていただければ、その効果は何倍にも高まります。
よいカタログを作るには、まずカタログの利点や利用時の注意点を知ることが大切です。この記事では、企業がマーケティングにカタログを使用する際の利点や気をつけるべき点を解説します。
目次
マーケティングにおけるカタログの役割・利点
カタログは企業の製品やサービスを一度に見せられるコンテンツです。様々な製品を種類・カテゴリー毎に確認できるため、ページをめくっているうちに検討していなかった・認識していなかった他の製品への気づきが期待できます。カタログの内容、外観で自社のイメージをアピールし、ブランディングを図ることもできるでしょう。
さらに、魅力的な写真やイラストがあれば購入後のイメージを広げやすく、製品やサービスの具体的なデータ(スペックや性能、お客様の声など)を付記することで、説得力も高まります。
紙カタログ、デジタルカタログなどそれぞれのメリットを生かせば、お客様の状況を問わずにアプローチすることも可能です。
たとえば展示会や初回の商談時には紙のカタログを渡すことで、手元に置いてみてもらい印象づけることができます。既存顧客に対してはデジタルカタログを使い、QRコードやURLを掲示するだけで気軽にダウンロードをして情報を把握してもらえるでしょう。
カタログは見返すことができるので、直接その場に人がおらず、コミュニケーションが行えない状況でも営業・販促活動が行えるのです。
カタログを使用したマーケティングにおいて重要な3つのポイント
カタログを使用したマーケティングには、忘れてはならない重要なポイントがあります。マーケティング効果を最大限にするためのポイントは3つだけ!
1.カタログを手にするターゲットやニーズの把握
効果的なカタログを作るには、ターゲットの設定が重要です。
BtoBの場合、何のために、どのような状況でカタログを渡すのか?
BtoCの場合、どのような価値観、ライフスタイルを持つ人にカタログを見てもらうか?を、しっかりと分析してターゲットを設定します。
ターゲットやニーズがずれていたら効果的なマーケティングは行えません。お客様によってニーズや問題点も様々。お客様の抱える問題やニーズに応えられる訴求の方法で、カタログの構成は変わってきます。
2.競合他社との差別化
競合他社と似通った内容では自社の特色が出ず、印象も薄くなるためターゲットの記憶に残りません。自社のイメージを伝えつつ、製品の魅力を引き出せるような、個性を打ち出した差別化が必要です。
そのためには、カタログの企画段階からコンセプトを明確にしてブランドイメージが最大限伝わるような内容にします。ターゲットにささるコピーライティングや表現方法、デザインでセールスポイントを読者に伝えます。
たとえば、品質重視の製品カタログが安売りチラシのようなデザインであれば、製品の信頼性を損ねて購買に結びつかなくなります。他社と差別化しつつ自社のブランドイメージを崩さずに魅力を伝えられるカタログであれば、販促活動はより行いやすくなります。
3.デザインや内容の分かりやすさ
差別化のためにいくらカタログの用紙や材質、カタチにこだわっても、掲載されている製品・サービスの情報が伝わりづらいカタログでは意味がありません。
情報が伝わりづらい例としては以下が挙げられます。
- 検索性が低く、目当ての製品が探しにくい
- 情報を盛り込みすぎしまい、本当に伝えたいことが伝わらない
- 文章量が多く、離脱してしまう
- デザインとブランドイメージに統一性がない
検索性の改善方法としては、製品・サービスが見つけやすいようカテゴリー分けをしたり、アイコンをつけて用途別や使用シーン別、季節別などに区分けをするとよいでしょう。
カタログ制作過程では、つい情報を盛り込みすぎてしまうケースがあります。カタログにおいては、余白も大事なパーツです。ターゲットにとって本当に必要な内容か、付け加えることで伝えたい情報が埋もれないかを検討しましょう。
カタログマーケティングでの共有・配布・拡散方法
魅力が溢れたカタログをお客様に見ていただくには、どのようなパターンが考えられるでしょうか。
以下は、カタログを共有・配布・拡散するにあたって使うことが多い手法です。
紙カタログの場合
- 商談時に持参してクライアントへ渡す
- 展示会、説明会など不特定多数の人が出入りする場で配布する
- 企業や個人宅へ送付する
デジタルカタログの場合
- 営業用資料やホワイトペーパーにリンクを添付する
- Webサイトや自社のSNSなどにリンクを設置し、閲覧可能な方がダウンロードできるようにする
- 紙のカタログにダウンロードリンクを設置する
- メールマガジンでURLを提示する
- 製品のHow to動画にリンクを表示させておく
いずれの場合も、カタログがお客様の手に渡って以降の導線をしっかりと確保することで、お客様からのアプローチを生かすことができます。問い合わせをしたい場合の連絡先、注文サイトを明記するなど、お客様が必要としたときにどのようにアプローチしたらよいか、はっきりとわかるような構成が必要です。
カタログを活かしたWEBマーケティング
「カタログ」といえば、紙のカタログのイメージが強いですが、昨今は環境問題も起因し、紙のカタログを廃止する企業も増えてきました。
紙カタログの代わりにデジタルカタログに乗り換えるケースもあれば、カタログの情報を流用してWEBへの掲載を試みるケースも増えています。WEB掲載とはどのようなものか、身近な例を挙げてみました。
<身近なWEB掲載のケース>
- デミグラスソースのアレンジレシピを調べるためにブランドサイトを訪問し、購入商品を検索してレシピを見る
- 靴を買いたいときに、ブランドにどのようなシリーズが展開されているかを調べ、機能性やデザインを判断する
- テーブルの購入を検討中にカラー展開を調べるためブランドサイトを調べる
このように、実際に購入するのは店舗であってもブランドサイトを訪れてWEB上で製品を検討することもありますよね。
BtoB企業でも、「製品の細部を見たい」というご要望に応えて3D画像を掲載したり、「購入前にサンプルを取り寄せたい」というニーズにはお取り寄せ専門サイトを設置したり、購入・決済までを行わなくてもWEB上に製品情報を掲載するケースもあります。
また、購入・決済を行えるBtoB-ECサイトの導入も年々右肩上がりになっており、紙のカタログと並行してWEBへの製品情報掲載も進んでいます。
独立したデザインではなく、紙カタログ・デジタルカタログ・WEB掲載それぞれが統一されたデザインであればお客様に与えるイメージも強くなるでしょう。
成果の測定と改善
カタログの配布後には成果の測定が必須です。売上はもちろん、測定の指標を設定して仮説を立てたうえで次回のカタログ内容に反映、改善を行います。
カタログマーケティングの成功指標
カタログ経由の売上はもちろんのこと、紙であれば配布数、デジタルであれば配布数・ダウンロード数・ダウンロードページへのアクセス数などの計測で、どれだけのお客様にカタログが行き渡ったか把握できます。
紙カタログの閲覧数は計測できません。ただ、配布数に対しての注文件数、問い合わせ件数などを指標とすれば、カタログの転換率(カタログ配布数に対して注文や問い合わせなどの成果がどのくらい得られたか)の計測も可能です。
まずは製品情報がターゲットの手元に渡り、購入の可能性を広げることが重要なので、配布数を増やせるような施策を考えましょう。
成果を向上させるための方法
どちらも閲覧後にターゲットがどのように感じたかは、計測できません。製品・サービスの利用を最終的な成果とするのであれば、良いカタログだと感じて配布数が伸びているのか、あまり興味を持てず閲覧していないなど、読者や配布者(営業スタッフ)のフィードバックをもらいブラッシュアップすることが必須です。
レイアウトやページ割の試行などによる売上の変化を経験値・成果指標として蓄積し、購入・成約率を高めていきます。
まとめ
モノを売るために人が営業・販促活動を行うのはもちろんですが、人の手だけでは限界を迎えてしまいます。製品・サービスの魅力をより的確に伝えたり、人が活動できない場所でも営業・販促活動を行ったりするためには、「カタログ」の活用が必須です。
お客様との大切な接点であるカタログは、その内容によって結果が変わってきます。一番の営業スタッフとも言えるカタログ。製品の魅力が十分伝えられるような企画と制作を行い効果的な販売促進で売上を増やしましょう。