校正・校閲

ChatGPTさんにブログ記事を作成してもらいたい

こんにちは! みなさま、ご機嫌いかがですか。

こんにちでは多くの会社さんが、企業としてのブログを立ち上げたり運営したりしていますよね。このブログをお読みになっているあなたのお勤め先も、ブログサイトをお持ちだったりするのではないでしょうか。

ブログ運営にはネタと書き手が必要でして、どちらも不足しがちなものですから運営担当者は常にこの二つを探していると言っても言い過ぎではありません。
ということは、あなたにも「ちょっと、うちの会社のブログ手伝ってみない?」という声がかからないとも限らないわけです。

いやいや、素人をつかまえてブログ書けなんて、そんな乱暴な話はない。それに自分に限ってそんなのに選ばれることはあるまい…、と思っているでしょう? そんなことあるんですよ。現に私がそうですから。

 

記事とか書いたことないんですが私にもできますか

「作文を書いた最後の記憶が、学校にいたころ」とか、「企画書やプレゼン資料は毎日作っているけど、ブログをどう書いていいかわからない」とか、「頭の中にテーマはあるんだけど、それをどう書いていいのか見当もつかない」という声はよく耳にします。

人との対話の中でアイデアを説明することには慣れていても、一人で考えをまとめたり紙に書き出したり(文字に起こしたり)しようとすると手が止まってしまう。そうした方々にぜひ試してほしいのが、生成AIを利用したブログ記事作成です。

生成AI、またはGAIと呼ばれているものについては、おそらくどこかで目にしたり耳にしたりしているのではないでしょうか。簡単に言ってしまうと、与えられた指示に従って文章や画像、音声などを作り出してくれる人工知能のことです。

この記事では、生成AIの代表選手ともいえるChatGPT(無料版・GPT-3.5)を使ってブログ記事を作るやり方について紹介します!

 

ChatGPTって何でしょう?(念のためのおさらい)

(もう知ってる、という方は次の見出しへどうぞ!)
いちおうご紹介しておきますと、ChatGPTというのは米OpenAI社が開発した生成AIの一種です。
チャットという名前からもわかるように、おしゃべり感覚で指示を与えると、テキストを生成してくれます。きわめて自然な文章を生成できることから、その名を知られるようになりました。

 

ChatGPTさんのいいところ

人間が書いたような自然な文章を生成する。これがChatGPTの最大の長所ですが、いいところは他にもあります。

まず使いやすい。
生成AIに与える指示のことを「プロンプト」と呼びますが、「〇〇について教えて?」「〇〇を英訳してください」のような気楽なプロンプトでもどんどん答えを返して(生成して)くれます。さらに、生成結果に納得がいかなかった場合でも、「もうちょっと簡単な言葉で」と打ち込むだけで新しい答えが生成されます。直前のプロンプトを覚えているので、同じ内容を繰り返し入力しなくても追加の指示として受け取ってくれるのです。これが人と会話しているような使い勝手につながっています。

あとは物言いがていねいで、ユーザーのために一所懸命やってくれてる感があるところですかね。
「お話しできて嬉しいです。」とか「お手伝いできることがあれば喜んでお答えします。」とか「お気軽にお話しください。」とか、ChatGPTの言葉遣いには人の心を和ませるたおやかさがあります。使っているこちらが見習わないとな~、と思ってしまうくらい。そのあたりに敬意と親しみを込めて、これ以降は、ChatGPTさんと呼ばせていただきます。

やり方によってはChatGPTさんの言葉遣いを変えたり、語尾に特徴を持たせたりすることもできるんですが、そのあたりは機会があれば。

ChatGPTさんのいいところ

  • 生成結果(テキスト)の出来がよい
  • 使いやすい
  • 礼儀正しくて健気

ChatGPTさんとのやり取りの模様。このくらいのゆるい指示でもバリバリ文章を生成してくれる。

 

ChatGPTさんの困ったところ

とはいえ、そんな品行方正なChatGPTさんにも弱点はあります。

まず、2022年2月以降の出来事を知りません。有料版のGPT Plusになると、GPT-4を使うことで2023年4月までの情報を知っていたり、自らWebを検索して最新知識を手に入れてきたりするのですが、無料版ではW杯カタール大会の優勝国を尋ねても答えることができません。残念。(2023年12月現在)

それから、質問に対して間違った内容を答えることがあります。これは生成AI特有の「ハルシネーション(幻覚)」と呼ばれる現象で、回答文が自然なだけに一見するともっともらしく見えるため、より厄介です。

また、初期設定のまま使っていると、入力したプロンプトがAIの学習に利用されます。つまり自分しか知らないはずのことが、他のユーザーへの回答に出てきてしまうかもしれないのです。ChatGPTさんには他人に知られたくない情報を教えない方がいいでしょう。へそくりの隠し場所とか。

ChatGPTさんの困ったところ

  • 知識が古い
  • たまに幻覚を見る
  • 秘密を守れない(かもしれない)

ChatGPTさんが幻覚を見ている様子。大筋で合っているのだが、出身地や成績などを絶妙に間違えている。
オオタニサンのマニアでなければ気づけないかも。

 

入力プロンプトの利用可/不可はここで設定する。利用不可にすると履歴が残らないため痛し痒しという感じ。

 

まずは構成を考える(考えてもらう)

そんなChatGPTさんにどうやってブログを書いてもらうかですが、まず自分が記事にしたいと考えている内容を伝えることから始めましょう。

と言っても、その内容を簡単に文章にできたら苦労はないわけで…。
とりあえずテーマだけでもよいので、いったんChatGPTさんに投げてみます。すると何かしらの形にして返してくれますので、その中から自分の考えに近い部分を拝借しつつ、記事の構成を練り上げていきます。頭の中でモヤモヤしているものが、人と話しているうちにだんだん形になっていく、そんな感じです。

このあたりは編集者とライターの打ち合わせに似ているかもしれませんね。

その打ち合わせの前に、ChatGPTさんにブログ執筆モードに入ってもらいましょう。
画面左下のアカウント名をクリックすると出てくるメニューから、「Custom instructions」を選択。ここではユーザーがどういう目的を持っていて、どういう答えを返してほしいかについてあらかじめ入力できます。打ち合わせを繰り返しているとChatGPTさんは自分が何をしているのか、たまに忘れてしまうのですが、Custom instructionsを使えばそれを防げるのです。

今回の記事では、以下のような内容を入力しました。

上の欄:
私は文章を書くことが苦手な社会人です。ChatGPTにブログ原稿を生成してもらいたいと考えています。
下の欄:
あなたは”ブログ制作のプロ”として、テーマやキーワードからブログの記事構成について考え、提案することが得意です。
さらに提案した記事構成をもとに具体的な文章を考え、ブログ原稿を作成することができます。

また、記事構成の打ち合わせのプロンプトはこんな感じです。〇〇〇はフリーワード、/で区切られている部分は、目的に近いものを選んで改変してください。

テーマ:[〇〇〇]
方向性:[知識の紹介/問題の解決/まとめ/比較/ランキング/など]
対象読者:[〇〇〇に興味・関心のある人/〇〇〇を比較・検討したい人/など]
目的:[対象読者にブログへの興味を持ってもらう/など]

この条件でブログの構成案を考えてくれますか?

テーマについて、最初は漠然としていても問題ありません。ChatGPTさんが提案してくれる構成を見ながら、徐々に形にしていきましょう。

ただ、自分があまりよく知らない事柄や、興味のない事柄をテーマにするのは避けておくのが無難です。前述のハルシネーションが発生した際に、それに気づけるかどうかは人間次第になるからです。

これでChatGPTさんは常にブログの記事構成について考えるようになる。
晩ごはんの献立を相談したいときなどは、事前にこの内容を消しておこう。

 

打ち合わせ開始。プロンプトの入力途中で改行を入れたいときはShift+Enterで。

 

今回は校正のお仕事というテーマで記事を作ってもらう。
どんなに打ち合わせが長引いても、いやな顔一つしないのがChatGPTさんの人格者、もといAIたるゆえん。

 

つぎに記事を書く(書いてもらう)

構成案が、自分の書きたいと思っていた内容に近づいてきたら、いよいよ記事を書き始めてもらいます。

ここでのプロンプトはこんな感じです。

下記の構成案で[「(構成案から大見出しをペースト)」]の文章を作成してください。
文体は[ですます調/である調]で、
[わかりやすさを重視して/アカデミックな雰囲気を意識して/ときおりユーモアを交えて/難解な言い回しは避けて/など]ください。

[(構成案全体をペースト)]

 

ポイント1:細切れに書いてもらう

ここでは一度に書いてもらおうとせず、大見出しごとに区切って生成してもらう方がうまくいくと思います。

たとえばこんな感じの構成案で進めようと思ったら、


1.イントロダクション
2.校正の基本
3.実際の仕事内容


というように都度プロンプトを入力していきます。
構成案すべてをまとめて生成しようとすると、大見出しごとの文章量が少なくなってしまいます。

 

ポイント2:一気に書いてもらう

文章生成の際は、時間を空けず最初から最後まで通しで書いてもらいましょう。さっきの構成案で言えば1~7まで間を空けずに最後までやり切ります。

ChatGPTさんにログインし直したり、日を改めたりすると(場合によっては30分程度経過しただけで)、生成結果のニュアンスが変わってしまうことがあります。記事のトーンを揃えるためには、一気に書いてもらうことをおすすめします。

「文体はですます調で、わかりやすさを重視してください。」の生成結果。
わかりやすさとカジュアルは違うものだと思う。

 

「文体はですます調で、わかりやすく、でも砕けすぎないよう注意してください。」の生成結果。
これは砕けすぎだろ。ですます調はどこへ?

 

「文体はですます調で、アカデミックな雰囲気を意識してください。」の生成結果。
だいぶ硬い。読むだけで肩が凝ってくる。

 

「文体はですます調で、アカデミックな雰囲気を意識しつつ、難解な言い回しは避けてください。」
の生成結果。このあたりが妥協点か。

 

「文体はですます調で、ときおりユーモアを交えてください。」の生成結果。
校正とユーモアは食い合わせが悪いことがわかった。あと、ときおりって言ったよね?

 

最後に書き上がった記事を編集する(これは自分でやる)

大見出しごとに細切れにしつつ、一気に書き上げてもらった後は、生成された文章を一つにつなぎ合わせます。そうしてできた原稿を、落ち着いて読み返しましょう。ここはChatGPTさんに任せられない作業になります。

読み返しつつ、以下の2点に問題がないか注意します。

 

自分の言いたかった(書きたかった)内容になっているか?

生成された文章が、考えていた内容からずれていないか確認します。

記事の方向性は、構成案を詰める過程でぼんやり見えてきたことと思いますが、ChatGPTさんがその方向性に沿ってくれるとは限りません。言いたかったことがぼやけたり、歪められたりしていないかチェックしましょう。

また、通しで読むことで、構成案そのものの不備によって、記事に過不足が生じていないかにも気づけます。

 

幻覚を見ていないか?

ハルシネーションにより、記事に間違ったことが書かれていないか、念入りに確認します。

文章を書いてくれたのはChatGPTさんでも、文責までは背負わせられないので、責任をもって事実確認をしないといけません。
前の方でも書きましたが、よく知らないことや興味のないことをテーマにしている(せざるを得ない)場合、ここで苦労するでしょう(涙)。

読み返した結果、手直しが必要と感じたら自分で書き直しましょう。ゼロから書き上げるのに比べれば、いくらか楽ができます。

これじゃないなーという違和感が強いときは、最初から文章を生成し直すか、思い切って構成案作りからやり直すとしっくりくることがあります。

どちらも人間相手にやろうものなら、打ち上げに高級焼肉を要求されること確実な暴挙といえますが、ChatGPTさんは文句ひとつ言いません。納得がいくまで記事を作り込むことができるのです。

 

記事の八割くらいは作ってもらえた気がします。でも何か…

礼儀正しくて、健気で、たまに幻覚を見るChatGPTさんの力を借りてブログを書く方法について紹介してきました。

すべてを丸投げ、というわけにはいきませんが、文章の土台を作ってくれるだけでもかなり助けになるのではないでしょうか。

ただ、書き上がったブログを読み返してみると……。あくまで個人の感想なんですが、何かこう概論的というか薄味というか…。冷麦を食べ終わる直前のめんつゆみたいな。

いや待て、これはChatGPTさんが悪いんじゃなくて、私の指示の仕方が悪いんじゃないか? きっとそうだ。
そういうわけで次回は、より突っ込んだブログ作成のためのプロンプトについて考えてみたいと思います。

最後までお読みいただき、ありがとうございました。

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  • この記事を書いた人

タクトシステム校閲チーム

タクトシステムの校正スタッフです。 カタログ制作の経験をもとに、販促担当者様へのノウハウを発信しています。

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