昨今話題となっている生成AI。
この記事では生成AIのひとつであるChatGPTに文章の校正をさせてみた結果をレポート形式で紹介します。
また、校正ツールとして評価の高い「文賢」とChatGPTによる校正も比較しました。
「自分で書いた文章の見直し、めんどくさいんだよな……」
「誰かに確認してほしいけど、みんな忙しそうで頼みづらい……」
といったお悩みをChatGPTが解決してくれるかもしれません。
目次
ChatGPTに校正させてみた
まずはChatGPTに以下の4つの条件で校正させてみました。
①間違っている部分(誤字脱字など)を直してもらう
②間違っている部分(誤字脱字など)を指摘してもらう
③用語統一ルールに従って、文章を直してもらう
④用語統一ルールに従って、直すべきところを指摘してもらう
①間違っている部分(誤字脱字など)を直してもらう
入力文をChatGPTに直接直してもらう方法です。
画像の色がついている部分が誤字脱字です。赤は修正できている箇所、青は修正できていない箇所です。ほとんどの誤字脱字は直してくれます。
ただし、変換ミスは言い回しがおかしくなければ見逃してしまうことがあるようです。
(「代りに登板をしているか」→「代わりに当番をしているか」の場合、文章全体で見れば「登板」が出てくるのは不自然だが、フレーズとしてはおかしくないので見逃されている可能性がある)
②間違っている部分(誤字脱字など)を指摘してもらう
入力文の間違っている箇所をChatGPTに指摘してもらう方法です。入力文の改変は禁止しています。
出力形式は[行数]/[指摘箇所]/[修正内容]でリストアップする方法と修正箇所を[ ]で囲む方法の2種類を検証しました。
どちらの方法も修正が必要ない箇所まで指摘することがあります。
画像の色がついている部分が誤字脱字です。赤は指摘がある箇所、青は指摘がない箇所、緑は誤字脱字はないが指摘がある箇所です。
リストアップする出力形式の場合、出力形式の[行数]のところにおかしな数字が入ることがあります。
(例)入力文は10行程度なのに行数を「22」と出力する など
画像の色がついている部分が誤字脱字です。赤は指摘がある箇所、青は指摘がない箇所です。
行頭に行数を入れると正しい行数で出力してくることもありますが、いつも正しいものが出力できるわけではないようです。
画像の色がついている部分が誤字脱字です。赤は指摘がある箇所、青は指摘がない箇所、緑は指摘している部分がずれている箇所です。
修正箇所を[ ]で囲む出力形式の場合は、囲む位置が少しずれていることがあります。
ただし、リストアップする形式よりは指摘の精度が高いようです。
しかし、どちらの方法も、①に比べると精度が落ちるようです。
③用語統一ルールに従って、文章を直してもらう
入力文を用語統一ルールに従ってChatGPTに直接直してもらう方法です。
画像の色がついている部分がルール通りの表記になっていない部分です。赤は修正できている箇所、青は修正できていない箇所です。
活用がある単語は、活用形をすべて提示しなくても終止形をルールの中に入れておけば修正してくれます。
(例)ルールに「頂く」→「いただく」とある場合、入力文中では「頂ける」となっていても「いただける」に直してくれる。
ただし、統一ルールの個数にもよりますが、単語の直し漏れが発生することがあります。
④用語統一ルールに従って、直すべきところを指摘してもらう
入力文を用語統一ルールに従ってChatGPTに指摘してもらう方法です。入力文の改変は禁止しています。
画像の色がついている部分がルール通りの表記になっていない部分です。赤は指摘がある箇所です。
修正すべき箇所を[ ]で囲む形で出力させました。
③と同様に、活用がある単語は活用形をすべて提示しなくても、終止形をルールの中に入れておけば指摘してくれます。
ただし、こちらも単語の指摘漏れが発生することがあります。
文賢とChatGPTの校正を比較してみた
校正ツールとして評価の高い文賢とChatGPTによる校正結果を比較してみました。
校正ツール「文賢」についてはこちらでご紹介しています。
文賢の校閲支援と比較
文賢の校閲支援のチェック結果と比較してみました。
画像の左側が入力文、右側がチェック結果です。入力文の数字は右側のチェック結果の内容とリンクしています。
文賢の校閲支援は誤字脱字などを検出する機能です。後述するAIアシストとは異なるAI技術を使用しています。
文賢は助詞の連続している箇所やあからさまなタイプミスは検出しましたが、助詞の抜けや「くだしい」「今までどうり」といった誤字は検出しませんでした。
一方ChatGPTは、入力文を直接修正させる場合だと助詞の抜けや誤字脱字まで直したものを出力しました。修正箇所を指摘させる場合も、助詞の抜けや誤字脱字まで指摘したものを出力しました。
ただし漢字の変換ミスのような誤字は文賢、ChatGPTの両者とも修正箇所として指摘しませんでした。
文賢のAIアシスト(β版)と比較
文賢のAIアシスト(β版)のチェック結果と比較してみました。
AIアシスト(β版)は2023年5月にリリースされた機能です。ChatGPTにも使われている「GPT-3.5」のAPIを使用しています。「誤字脱字チェック」「トラブル防止チェック」「感想をもらう」「質問をもらう」「箇条書きにする」「要約する」の6種類のチェック項目があります。ここでは「誤字脱字チェック」を使ってみました。
画像の左側が入力文、右側がチェック結果です。指摘箇所にはわかりやすいよう合番を振っています。(実際の使用時には合番は表示されません)
ChatGPTに校正させる場合は、「校正してください」という旨のプロンプトを入力する必要があります。これに対し文賢のAIアシストでは、従来の校閲支援と同様にテキストエリアに文章を入力してチェック項目を選択すればチェックをしてくれます。
AIアシストの誤字脱字チェックでは、校閲支援では検出されなかった誤字が検出されました。ただし、誤字脱字のない箇所に対して修正を入れてくることがあります。
(例)「添付のExcelを」→「添付のExcelファイルを」
ChatGPTはプロンプトを「誤字脱字を直してください」としている場合、基本的に誤字脱字のある箇所のみ修正して出力します。
ChatGPTにアドバイスを求めてみた
入力文について、どこを直すべきか、内容をさらに膨らませるにはどうしたらよいかなどを聞いてみました。
画像の赤くなっている部分が入力文から変更があった箇所です。
修正・追加が必要かどうか、必要な場合は修正・追加すべき点を箇条書きなどで出力してくれます。
修正点は出力せずに修正した文章のみを出力してくることもあります。
また、「口調をもう少していねいに」などと指定すれば、これに合った文体でリライトしてくれます。
ChatGPTによる校正、使える? 使えない?
結局のところChatGPTによる校正は使えるのでしょうか?
ChatGPTによる校正は、文章そのものを直してほしい場合は役に立つと思います。
従来の校正ツールのように直すべきところを指摘してほしい場合はあまり使えないでしょう。
ChatGPTは入力文の誤字を直して出力してくれますし、修正・追加すべき点など文章のクオリティについてのアドバイスもしてくれます。
自分で書いた文章をChatGPTにきれいに整えてもらうといった使い方は有用だと思います。
一方、こちらの記事で紹介している従来の校正ツールのように、直すべき箇所を指摘することはあまり得意ではないようです。
リライトはせずに直すべきところだけ指摘してほしい場合は、現時点ではChatGPTでは十分に役割を果たせないことがあります。
以下にChatGPTによる校正のメリット・デメリットをまとめました。
メリット
- 数秒~数分で結果を出力してくれるので、人に頼むよりも早い
- 文章そのものを直してもらう場合、できあがったものが出力されるので自分で直す手間が軽減できる
- 自分のタイミングでチェックやアドバイスをお願いできる
- チャット形式なので修正内容についてさらに詳しく尋ねることができる
デメリット
- 勝手な改変が許されないものはあまり向かない
- プロンプトの内容によって出力結果の精度が変わる
- 複数回チェックをさせると毎回異なる結果になるので、結果が安定しない(どのタイミングの出力結果を参考にするかによって制作物のクオリティが変わることがある)
まとめ
ChatGPTによる校正は、校正ツールと異なり、文章を入力すればきれいに整えたものを出力してくれるので、自分で直す手間を軽減できます。
また、文章とプロンプトを入力すればすぐに修正したものを返してくれるので、他の誰かの手を煩わせることなく、短時間で文章のチェックができます。
しかし、誤字などがない箇所まで改変されてしまってはいけない場合やより細かなチェックが必要な場合はあまり利用できないでしょう。
タクトシステムでは、校正専門のスタッフが誤字脱字や文章表現、事実確認などさまざまな観点から文章をチェックいたします。
「文章のチェックはしてほしいけど、勝手な改変は困る」「細かいところまできっちりチェックしてほしい」といった場合は、ぜひタクトシステムにご相談ください。
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