パンフレットは、商品やサービスを効果的に伝えるための重要なツール。
でも、競合ひしめく数多くのパンフレットが並ぶ中で「目立つ」存在になるためには、デザインやキャッチコピーだけでなく、形状や加工にも工夫が必要です。ここでは、折加工・綴じ加工の基本を押さえた上で、「目立つ」パンフレットを作るための具体的なアイデアをご紹介します。
目次
目立つパンフレットとは?加工と形状の重要性を確認
パンフレットは、商品やサービス、イベントなどを効果的に伝えるための重要なツール。
パンフレットを手に取ってもらったお客様に「このパンフレットを開いてみたい」「このパンフレットを読んでみたい」と思ってもらえるようにするには、キャッチコピーやデザインにこだわることももちろん大切ですが、同じくらいパンフレット形状も大切です。
せっかく作ったパンフレットも第一印象が薄くなってしまうと手に取ってもらえないかもしれませんが、逆にちょっとしたアイデアで目立つ形状になっていればナカ面まで目を通してもらえる可能性はグッと高まります。
ここではパンフレットの形状に一工夫を凝らすことで、目に留まりやすく、パッと見で他のパンフレットとの違いがハッキリする加工術についてご紹介します。
パンフレットの形状を決定づける『折加工』と『綴じ加工』の基本
折加工の基本
折加工は、パンフレットをどのように折りたたむかを決めるものです。基本の形状は、二つ折り、片観音折(巻き三つ折り)、両観音折、蛇腹折の4つになります。それぞれイメージしやすい形だと思いますので、まずはどういったものなのかを理解しておくようにしましょう。
二つ折り | 片観音折り (巻き三つ折り) | 両観音折 | 蛇腹折 |
---|---|---|---|
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仕上:4ページ | 仕上:6ページ | 仕上:8ページ | 仕上:8ページ |
最もシンプルで一般的な折り方、二つに折るだけです。 A3サイズの紙を二つ折りにしてA4サイズにするなど。 | 情報を段階的に見せるのに適した折り方。最初に開いたときに概要を伝え、さらに開くと詳細な情報が現れるように設計できます。 | 観音折りは、中央に向かって両側を折り込む形状。開いたときに大きなビジュアルやメッセージを一気に見せることができます。 | ジグザグに折りたたむ形状。折り目ごとに異なる情報を配置でき、ストーリー性のある内容を伝える際に便利です。 |
綴じ加工の基本
綴じ加工は、複数のページをまとめる際に用いられる加工技術です。ページ数が30ページ程度までは中綴じ、30ページ以上になるようであれば無線綴じを検討するようにしましょう。
中綴じ | 無線綴じ |
---|---|
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30ページ程度まで | 30ページ以上 |
パンフレットの中央をホチキスで留める方法。ページ数が少ないパンフレットに適しており、コストを抑えつつも見やすい仕上がりになります。 | ページを糊で接着してまとめる方法。中綴じに比べてページ数が多いパンフレットに適しており、高級感を出したい場合や、情報量が多い場合におすすめです。 |
目立つパンフレットを作るひと工夫
基本的な折加工や綴じ加工を押さえたら、次は応用編です。形状加工にさらにアイデアをプラスすることで、パンフレットの魅力を一段と高めることができます。以下に、目立つパンフレットを作るためのアイデアをご紹介します。
表紙の「折り返し」で差をつける
パンフレットの表紙に折り返しを設けて、最初のページを開いたときに、さらに折り返し部分を開くことができるようにする工夫です。折り返し部分を開くと実質3ページ分の見開きサイズになりますので、インパクトのあるメッセージやビジュアルを訴求することができます。

表紙を縮めて「ツメ」をみせる
ページごとにツメ見出しを入れることで、それぞれのページのカテゴリをわかりやすく案内することができます。
ツメ見出しの工夫に加えて、表紙の小口(綴じていない方)の横寸を短くして、パンフレットを閉じた状態でもツメ見出しをみせることができます。表紙の面積が小さくなるというデメリットはありますが、ツメ見出しを表紙デザインに取り込むことで、ナカ面へ誘導しやすくなります。

視覚と触覚へのインパクトなら『表面加工』
パンフレットに立体感を持たせて、視覚のみならず触覚にも訴えるパンフレットを作るなら表面加工の検討が必要になります。ただ、一口に表面加工といっても種類は様々。ここでは代表的な表面加工についてご紹介します。
PP加工(グロスPP・マットPP)
PP加工は、パンフレットの表紙にポリプロピレン(PP)フィルムを圧着してコーティングするラミネート加工の一種です。表面をコーティングしてキズや汚れからパンフレットを 守ってくれますので、屋外のイベントで配布するパンフレットなどにお勧めです。
PP加工には、表面に光沢感をプラスするグロスPPと、光沢を抑えて高級感を演出するマットPPの2種類がありますので、訴求内容にあわせてどちらかを選ぶようにしましょう。


UVニス加工(スポットUVニス加工)
UVとは紫外線(Ultra Violet ray)のこと。印刷し終わった表紙にニスをひき、さらにUVを照射します。これにより、ニスに凹凸ができ、表面をざらっとした質感に変化させることができます。
部分的にニスをひく、ということもできますので、例えば「タイトルにだけ凹凸をつける」「全面を凹凸にするけど、ロゴの周りだけはフラット」といったように工夫次第でコントラストをつけて様々な魅せ方に応用できます。

箔押し
箔押し加工は、金や銀、ホログラムなどの箔を紙面に転写する加工です。高級感や華やかさを演出するのに最適なので、結婚式場の案内や高級時計のパンフレットなどでご覧になったこともあるかもしれません。
箔押しは、箔を押す面積によって値段がかわってきますので、ピンポイントで使ってこそ効果を発揮します。

空押し
空押しは、箔押しの「箔」を入れないバージョンと考えておきましょう。箔を入れない分、視覚的なインパクトは控えめになりますが、シンプルで洗練されたデザインを演出するには箔を入れない方が効果的という場面もあります。また、特殊紙を使った上で、ロゴ周りだけ空押しをするとさりげない高級感の演出、といったことも可能になります。
特殊紙を使って特別感を演出
コート紙やマット紙・上質紙といった、一般的な用紙とは異なる質感・風味・色味を持たせた用紙を「特殊紙」と言います。特殊紙がもつ紙本来の独自性をデザインに活かすことで、差別化されたパンフレットに仕上げることができます。
ここでは代表的な特殊紙をご紹介します。
ヴァンヌーボ
滑らかでしっとりとした手触りが特徴の高級紙。発色がいいので、ヴィジュアルメインのパンフレットにオススメ。
アラベール
表面に微細な凹凸があり、温かみのある質感が特徴。ナチュラルをテーマにしたパンフレットにオススメ。
タント
豊富なカラーバリエーションと、しっかりとした厚みが特徴。色違いで複数のパンフレットを用意する場合にオススメ。
マーメイド
少し強めの凹凸が欲しい場合にはマーメイドがオススメ。カラーバリエーションも豊富で使い勝手のよい用紙です。
羊皮紙
独特の模様と質感が特徴。パピルスと並んで昔から使われてきた云われもありますので、アンティークなデザインにマッチします。
その他も、和紙やトレーシングペーパーなどたくさんの特殊紙があります。実際に使用を検討する際には、印刷会社と相談のうえ、必ず実際の用紙を手に取って確認してください。
まとめ
パンフレットはキャッチコピーやデザインに加え、加工形状への一工夫が第一印象を大きく左右します。目立つパンフレットを作るためには、基本となる折加工・綴じ加工に加え、折り返しやツメ、表面加工、特殊紙の利用といった細部へのこだわりが必要です。もちろん形状ありきで考えることはNGですが、ターゲットへの訴求内容・デザインにあわせた加工アイデアを取り入れることでメッセージの質を際限なく上げていくことができるものと思います。
ぜひ、ここで挙げた工夫も取り入れ、ステキなパンフレットを仕上げていきましょう!