会社案内の形状で、最初に頭に浮かぶものといえば、
A4サイズ・12~24ページ程度の中綴じ冊子ではないでしょうか。
この仕様はコストや使いやすさの観点から多くの企業が採用していますが、
変わり種の会社案内も少なからず存在します。
今回は長く印象に残るおもしろい会社案内をご紹介します!
目次
目的や役割あっての会社案内
まず、変わり種の会社案内を作成するにあたり、
「おもしろい」といった結果だけを求めることは禁物です。
なぜならおもしろいと思わせることは手段であって、会社案内の役割ではないからです。
本来、会社案内は現在の企業像・活動内容や想定している未来像を伝えるものです。
言い換えれば、企業が読み手への約束を目に見えるカタチにするモノ。
会社案内には、企業メッセージを掲載したような一般的な会社案内以外にもコンセプトブック・CSRレポート・リクルート用冊子・サービスガイドなどが含まれており、読み手や役割に応じて掲載する情報は多種多彩です。
会社案内の役割や目的を果たすことさえできれば、必ずしも一般的なサイズに縛られる必要はありません。
ツールの役割を考えたうえでの工夫は長く印象に残るアイデアになります。
おもしろい会社案内①製本や構造を工夫
一般的な会社案内は中綴じという綴じ方が多く使われます。
これはパンフレットではスタンダードな方式です。
見開きの印刷物を重ねて中心で半分に折り、折り目の部分を針金や綴じ糸などで綴じます。
ページの少ないものに適している製本方法です。
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製本方法や構造を変えるだけでも目を惹きます。
ページ数の少ない会社案内に適している他の例としては、
ジャバラ折り、両観音開き、片観音がよく使われます。
上記の3つ以外にも様々な種類がありますが、
それぞれメリット、デメリットを簡単に整理すると以下のようになります。
ジャバラ折り
【 メリット 】片面4ページ分の横長の紙面を使った表現が可能で、印象に残るデザイン的な仕掛けを施しやすい
【 デメリット 】印刷のためページ数は8ページに限られ、ページ順が紛らわしいためデザイン的な工夫が必要
両観音・片観音開き
【 メリット 】ジャバラ折りと同様のメリットに加えページ順も明確
【 デメリット 】閲覧時には全開できるスペースが必要、汎用性があるため、特別感は感じられない
タトウ(シート)型
【 メリット 】差し替えが自由なので、渡したい人によってチラシを変更するなど、追加や修正が容易
【 デメリット 】綴じていないためバラバラになる、シートがバラバラなため閲覧性が悪くなる
リングファイル(ルーズリーフ型)
【 メリット 】それぞれのページを自由に抜き差しでき、表紙と裏表紙のみを厚紙にするなどして高級感や高品位を演出できる
【 デメリット 】コンパクトにはならない
クリエイティブな業界や士業のようにスタッフ一人ひとりの力量や実績をアピールしたい場合に適しています。
リング綴じ
【 メリット 】中綴じと同じ使いやすさを持ちつつ、アルバムから学習ノートまで様々な印象を与え、他社との差別化を図ることができる
【 デメリット 】コンパクトにはならない
ノド側を完全に開くことができて読み書きしやすいというメリットは、リクルート用におすすめです。
たとえば、左ページに会社紹介を掲載して右ページをメモページに。
会社説明会で得た内容を右ページに記入し、自分だけの会社案内をつくってもらう方法も可能です。
おもしろい会社案内②サイズや形状を工夫
サイズを小さくしたり大きくしたり、変形するだけでも与える印象は大きく変わります。
ポスター型
広げるとまるでポスターのような会社案内は、A1サイズの大きい紙を3回折りたたんでA4サイズに仕上げます。
ポスター型の会社案内をつくるメリットとしては、この大きな紙面にしかできない表現が可能になるということ。
例えば、会社の変遷や商品やサービスの進化。
ポスター型にして家系図やダーウィンの進化ツリーのようなデザインを大きく見せることで、一目で変化の過程がわかるでしょう。
または、M&Aや時代の流れを考慮して多角化した事業を展開している場合。事業群を大きな同一紙面に並べて紹介することで、一見関連していないように見えていた事業にも連動性が見えてきて相乗効果をアピールできます。
穴あきや角丸など抜き型
企業イメージや商品を連想させるカタチの穴で印象に残すだけでなく、
次のページには何が書かれているのだろうという興味を持たせることが可能です。
全ページに規則性のある穴を開けることで、ストーリーを与えることもできます。
おもしろい会社案内③立体化や材質を工夫
コンセプトブックやブランドブックのようにインパクト重視なら、立体的な形状もおすすめです。
立体的な会社案内を作る企業は少ないので強く印象に残ることはもちろん、ノベルティのような効果も発揮します。
卓上型
自社のロゴや商品を入れたデザインにすることで、
デスク上などの目に入るところに置いてもらい、意識づけることができます。
絵柄が循環する4面カード
縦開き、横開きを交互にすることで、4種類の絵柄を見ることができるカードです。
4つの絵柄は循環するので、ストーリー性を持たせた商品の紹介などが可能です。
ペーパークラフト
仕掛け絵本のように、カタログを開くと商品などが立体的に飛び出てくる仕掛けにより、
自社商品をより印象的にアピールすることができます。
暗記カード
赤フィルムのシートを同梱し、フィルムを印刷面に重ねると赤い文字や絵柄だけが見えなくなる仕掛けです。
暗記カードというと試験勉強のような固いイメージがありますが、
自社の主力商品を赤文字にしてクイズ感覚で理解してもらうなどインタラクティブ性を高めることができます。
会社案内の役割を考えたうえで、自由に発想してみましょう。
おもしろい会社案内〈番外編〉クレド
従業員の意識改革のほか人材育成などインナーブランディングに主眼を置いたツールとして
外資系企業を中心にクレドが注目されたことがあります。
これも広義では会社案内といえます。
クレドとはラテン語で「志・約束」といった意味を持ち、従業員が持つべき信条や行動指針を表すものです。
コンプライアンスへの意識が高まっている今、必要なツールといえます。
携帯しやすいカード形状が一般的ですが、従業員の業務への意識づけだけでなくモチベーションをもっと高めたいというご要望にあわせ、キーワードを布に印刷し、スタッフ用ハンカチとして配布することも可能です。
まとめ
会社案内は本来、現在の企業像・活動内容や想定している未来像を伝えるものです。
その役割が果たせれば、形状やサイズにこだわる必要はありません。
自由に発想したり、プロのデザイナーに相談してみてください。
現状の会社案内よりも満足できるものができるといいですね。