何となくわかる画像のお話しシリーズ

画像補正のいろいろ パート3

何となくわかる画像のお話し

明るさは写真の見栄えに重要です。
写真の適正な明るさとは、具体的にはどのように判断するのでしょうか。
こちらのオフィスでは、『写真の明るさ』について少し踏み込んだ話をしているようです。

博士~
写真の明るさの話じゃな
判断する基準があるんだよね
今回はこんな写真と

ふむふむ
再び登場のグレースケールじゃ

お、前回は随分とお世話になりましたね
今回もお世話になろうと思うよ
よろしくお願いします!
先ほどの写真を基準として、そこから明るさの異なるパターンを作成してみたよ

ん、明るいのと暗いのかな?
モーちゃんなら基準とした写真と比べて、この二つの写真の明るさをどのように説明するかね?
え! そんなの見た通りとしか……
ふむふむ
あ……もしかしてここでグレースケール君が出てくる?
察しがいいの。ではグレースケールを同じ明るさになるように写真に添えてみるよ
オッケーです

グレースケールの階調に注目してほしい
階調って、下の数字と対応した色の段差のことだね
そうそう。元のグレースケールと比べると1~8段の階調がなくなってしまっているね
うん
写真の方の方も、グレースケールと対応するように明るい部分がなくなってしまっている
そうだね
表現されるべき明るい部分がなくなってしまっている、それは明るい写真と基準の写真の違いと言えるじゃろ
そう言われたら、何が良くないのかスッと理解できる気がするね
どのように補正すれば基準の写真になるか、わかってくるじゃろ?
グレースケールの1~8段の部分が表現されるように、補正してもらえば良いってことだね
その通りじゃ

こっちの写真はグレースケールの17段より濃い部分が黒く潰れてしまっているね!
写真を改善するには、この潰れを補正していけば良いということがわかると思う
うんうん
このグレースケールをだいたい3分割して、明るい方をライト、暗い方をシャドウ、その間を中間とよんだりする
ライト、シャドウ、中間
先ほどの写真なら、ライトの階調がなくなってるとか、中間が潰れているという風に使えるよ
了解です
このように、明るい暗いというのはライトからシャドウまでの階調の再現のされ方を言うよ
全ての階調がしっかり再現されている状態が、一番良いってことね?
まあ、基本的にはそうなんじゃが、場合によってはそうとも言えない場合があるよ
どういう事?
色かぶりの補正の話の際に、良い色かぶりもあると話したことがあるよね
言ってたね。明るさもそうなの?

例えば、この写真のシャドウが暗いと考えて補正した時

こんな感じに仕上げたら、やり過ぎじゃなかろうか
元と比べると、随分あっさりしたね
周りを暗くすることでカレーに注目させる演出だと思うので、撮影意図が台無しになったんじゃなかろうか
ん~撮影意図なんて、撮影した人じゃないとわからなくない? 博士はどうやって判断しているの?
特に理由がない限りは、写真の階調がなくなったり潰れたりしないように補正するかの
ふむふむ
ただそうすると、このカレーの写真のように補正してしまう可能性もあって、撮影者の意図しないものになる事もあるんじゃよ
フム~
使用している機材の違いで、撮影側と画像補正側で写真の見え方が異なるかもしれんしの
じゃあ、仕上がりの方向性はしっかりと確認しておいた方が良いということだね
その通りじゃね。では、今回をまとめてみようかの

『写真の明るさについて』
1.写真の明るさは、ライトからシャドウまでの階調再現のされ方
2.写真の適正な明るさは場合によって変わってくる
3.仕上がりの方向性は作業発注者と担当者の間ですり合わせを行うと良い

といったところかの
オッケーです
3.については『画像の変換と補正ってなんだ? パート2』でもまとめていたのじゃが、改めてここでも入れておいたよ
色かぶりや写真の明るさを補正すると随分イメージが変わるから、意志の疎通は大切だと改めて感じるよ
そうじゃね。制作に関わる全員が仕上がりをしっかりイメージし、共有することがトラブルを回避することにもなると思うよ
了解
補正に関しては、『グレーバランス』と『明るさ』の話をしたところで終わりにしようかの
あれ、これで十分なの?
最初の取っ掛かりとしては良いと思うよ。何か問題が起こった時にまた説明させていただこうかと……
あ……実は
何かあったかね?
画像データを協力会社さん2社に支給したんだけど、それぞれ全然違う色で仕上がってきて……
RGBデータを支給したのかな?
そう。それをWeb用にjpgデータにしてもらったんだけど……
興味深いね。では、次回はその問題を見ていくとしようかの
了解!お願いします!

写真の明るさについての話を聞いたモーちゃん。
階調を意識することで写真の状態を理解する方法を覚えたようです。
そして最後になにやら新しい問題が持ち上がってしまいました。
次回、『カラープロファイルってなんだ?』へ続きます。

To be continued・・・

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フルカワ

タクトシステム制作本部スタッフ。画像加工と補正のエキスパート。高度な技術を駆使し、再現の難易度の高い画像にも対応している。 近年ではAI技術も活用し、効率的かつ高品質な制作を実現する。 社内では、困っているスタッフにもわかりやすく説明をしてくれて助けてくれる先生のような存在。

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