カタログ制作を専門に年間100冊以上のカタログ制作に携わる当社では、既存カタログのリニューアルについて多くのご相談をいただいております。
今回は、カタログのリニューアルに際して知っておいていただきたい4つのポイントを解説します。
目次
カタログリニューアルのポイント解説にあたって
既存のカタログが古くなってきたのでリニューアルを検討したい、というお問い合わせを多くいただいております。リニューアルにあたっては、既存のカタログでは何が良くなかったのか? もっと良いカタログにするにはどうすればよいか? を考えていく必要があります。
今回は、そんなカタログリニューアルにあたってのポイントを4つに絞って解説していきます。
【ポイント1】既存カタログを評価する
カタログのリニューアルのご検討にあたっては、まず既存のカタログの何が良かったのか? 何が良くなかったのか? を考えることからはじめます。
評価する際の見直しのポイントを以下にまとめます。
カタログリニューアルの際の見直しポイント
項目 |
ポイント |
商品情報 |
お客様に間違った情報をお渡ししてしまう可能性がありますので、商品情報が最新に保たれているかを確認します。 |
キャッチコピー |
テレワークが増えた、セキュリティが厳しくなったなど、お客様の状況の変化に合わせて、刺さるキャッチコピーの見直しが必要です。 |
デザイン・レイアウト |
お客様にとって分かりやすい、注文しやすい紙面レイアウトになっているか見直しましょう。 |
使い勝手 |
配布方法やお客様とのコンタクトポイントを見直し、場合によってはカタログの役割についても再考する必要があります。 |
競合他社のカタログとの比較 |
競合他社のカタログとこれまでのカタログを比較することで、お客様がどちらの製品を選びやすいのかを再検討することが重要です。 |
制作体制 |
カタログ制作にあたって、修正モレが多い、チェックに時間がかかるなどの負担がある場合には、委託先を含めて制作体制の見直しが必要な場合があります。 |
キャッチコピーやデザイン・レイアウトは個人によっても意見が分かれることがありますので、なるべく多くの声を集めることが大切です。社内の営業スタッフのコメントはもちろんのこと、実際にカタログをご覧になるお客様に直接ヒアリングする機会を設けられると具体的な改善点を見つけることができます。
【ポイント2】カタログリニューアルの目的を明確にする
既存のカタログを見直し、改善点を定め、リニューアルの目的を明確にしましょう。カタログリニューアルすることによって得られるであろうメリットを書き出しておくことで、次回のカタログリニューアル時の評価指標とすることができます。
リニューアルの目的策定にあたってのポイントを以下にご紹介します。
コンタクトポイントの増加
可能な限り具体的に、カタログをリニューアルすることで、どのくらいコンタクトポイントを増やすことができるのか、また商談・成約にどの程度結びつくのかを試算することが大切です。
アップセル・クロスセルの検討
アップセル・クロスセルを目的に、類似製品・関連製品を掲載する余地がないかを検討しましょう。またセールストークの見直しも同時に行い、既存顧客の満足度向上に結び付ける施策の1つとすることができます。
更新・運用コストの改善
カタログの更新費用や印刷費を負担に感じる場合には、運用コストの見直しが必要です。
カタログ更新のための原稿整理などをアウトソーシングした方が良いか、内部で処理した方が良いかなどを含めて、制作体制を整理する視点も必要となります。
【ポイント3】制作負担の軽減を考える
カタログは作ること自体が目的ではありませんので、制作ご担当者様の負担を減らしたいと思われるのも当然のことといえます。カタログリニューアルにあたっては、制作負担の軽減もあわせて検討されることをお勧めします。
原稿整理の負担軽減策
製品データベースの情報をカタログ掲載へ向けに最適化することで原稿整理の負担を減らす仕組みづくりが可能となります。
原稿整理にかかる負担を軽減すると同時に転記ミスも防ぐことができますので、より販売促進のコア業務に集中できる時間を確保しやすくなります。
内容確認の負担軽減策
部署をまたいだ掲載内容確認や上長承認のワークフローをシステム化することで、内容確認の負担を軽減することができます。
承認/差戻しなどの状況を可視化し、コミュニケーションコストを減らします。
多メディア展開の負担軽減策
ひとつのカタログから「英・中・韓国語版を作る」「掲載情報をWEBと連動させる」などの一連の流れを自動化する仕組みを作ることで、多メディア展開の負担を減らすことができます。よりタイムリーな展開を実現し、WEB制作会社と紙カタログ制作会社のそれぞれに同様の指示をする、というような二重作業もなくなります。
【ポイント4】カタログの費用対効果について考える
紙媒体は費用対効果を算出しにくいツールと言われていますが、考え方を理解しておくことは重要です。カタログをリニューアルすることによって得られる『効果』と『費用』を比較することで、適切な予算配分を行うことをお勧めしております。
カタログ制作の効果
・売上(利益)の向上
カタログをリニューアルした場合としなかった場合で、売上にどれくらいの差が発生しそうでしょうか? 予測の金額でかまいませんので、まずは試算してみることをお勧めします。
試算結果次第で、カタログリニューアルにどの程度の予算をかけたらいいかを算出することもできます。
・定性的な効果
こちらも正確な計測は難しいものですが、ブランディング効果、マーケティング効果についても試算されることをお勧めしております。
カタログ制作の費用
・イニシャルコスト
コピーライティング、撮影(画像制作)、デザイン制作、印刷代・発送代 など
・ランニングコスト
定期メンテナンス、増刷コスト など
・定性的なコスト
カタログ紙面の修正チェックや、掲載承諾のためのコミュニケーションにかかるコスト
正確な測定が難しいカタログ制作の費用対効果ですが、カタログを作った場合(リニューアルした場合)のコストが、目標とする売上(利益)額に見合っているかを試算することが大切です。また、紙面チェックや内容確認など、カタログご担当者様の負担となる定性的なコストにも目を向けて効率化を図る施策が必要となります。
目標を達成した場合、達成できなかった場合に、どのような試算であったかを振り返るためにも、ぜひ費用対効果についてご検討ください。
まとめ
カタログの掲載情報が古くなったということであれば、情報を更新すればよいのですが、リニューアルとなると、これまでとこれからについて本腰を入れた検討が必要です。
リニューアルの目的を整理し、制作フローを見直すことで、より費用対効果の高いカタログ施策が可能になりますので、ぜひご検討ください。