カタログの活用法

営業に効果を発揮するカタログの作り方

「カタログ」と聞くと、電話帳のように分厚く、商品を網羅した冊子を想像する人も少なくないかもしれません。しかしそれは「総合カタログ」と呼ばれる、数多くあるカタログタイプの中の一種でしかありません。

総合カタログは既存のお客様の手元に置かれることが多いですが、この記事では新規顧客開拓にも役立つ、営業用のカタログについて解説をしていきます。

営業の世界では、適切なツールが成果を左右します。特にカタログは、製品やサービスを顧客に効果的に紹介し、直接的なコミュニケーションを図るための不可欠な手段です。

この記事では、目的に応じたカタログタイプの選び方から、市場のニーズに応えるカスタマイズの方法、さらにはデジタルとの連携に至るまで、営業成果を最大化するカタログ作成の手順を詳細に解説します。

【目的別】カタログタイプの選び方

営業カタログの作成に入る前に、まずは目的に合わせて、カタログのタイプを選びましょう。

営業に活用できるカタログは、主に下記の4種類があります。

  • 総合カタログ
  • カテゴリーカタログ
  • 特化型カタログ
  • 単品カタログ

ここからは上記のカタログがそれぞれどのような特徴を持ったカタログで、どのような営業に向いているのか、ひとつずつ詳しく見ていきましょう。

総合カタログ

総合カタログは、企業の製品やサービスを全幅にわたり紹介する包括的なツールです。

このタイプのカタログは、企業の提供するラインナップやサービスの幅広い情報を一冊にまとめ、顧客に対して会社の全体像を詳しく伝える目的があります。

情報量が多いため分厚くなりやすく、携行性には乏しいです。そのため店舗や代理店に常設する使い方がメインとなるでしょう。

総合カタログを用いた営業では、カタログには載っていない新製品の案内を行ったり、カタログ刷新時に訪問し、新たなサービスを紹介したりといった使い方が可能です。

カテゴリーカタログ

カテゴリーカタログは、企業の製品やサービスを特定のカテゴリーに焦点を当てて紹介するタイプのカタログです。特定の製品群やサービスに特化しているため、具体的なニーズに対応しやすいというメリットがあります。

情報量も絞られるため携行性も高く、営業担当が持ち運ぶことも可能です。顧客のニーズに合わせたカタログを持ち込み、営業の際の資料とする使い方もありますが、特定のテーマに特化していることを活かして展示会やイベントで配布するという活用方法もあります。

特に展示会やイベントでは、特定のニーズを持った顧客が集まりやすいため、テーマに合わせたカテゴリーカタログの需要は高く、潜在顧客や見込み顧客を効率的に得ることができるでしょう。

特化型カタログ・単品カタログ

特化型・単品カタログは、限られた製品や特定のサービスのみを取り上げることに特化したカタログです。
一つの製品またはサービスに特化して深く掘り下げた情報を提供します。

このタイプのカタログは特に、新製品のローンチ、ニッチ市場への特化、または特定のプロモーション期間中の製品に焦点を当てる際に有効です。

その製品の詳細な特性、使用方法、技術仕様を徹底的に説明し、顧客を迷わせることなく特定の製品に対する注目を集中させることが最大のメリットになります。

特に専門的な知識を提供する必要がある場合、特化型・単品カタログであれば必要十分な情報を掲載することが可能ですので、製品のデモンストレーションやプレゼンテーションと合わせてカタログを配布すれば、さらに製品についてよく知ってもらうことが可能となるでしょう。

営業担当者が重宝する!営業カタログの作り方

ここまで、営業に用いられるカタログの種類について解説をしてきました。

目的に合わせてカタログタイプを選んだら、いよいよカタログ作りに着手します。

営業カタログを作成する手順は以下のとおりです。

  1. 市場分析とセグメンテーション
  2. ターゲットのニーズに合わせたカスタマイズ
  3. カタログデザインの最適化

それぞれの手順について、くわしく見ていきましょう。

手順①市場分析とセグメンテーション

まずはいきなりカタログ作成に着手するのではなく、市場分析を行い、顧客をセグメンテーションします。

市場分析では市場の傾向、競合分析、顧客ニーズの調査を行います。方法としては、たとえばオンラインサーベイ、業界レポート、顧客インタビューなどがあるでしょう。

顧客のセグメント分けでは、顧客の人口統計学的特性(年齢、性別、所得、居住地など)、心理的特性(価値観、ライフスタイル)、購買行動を分析します。購入力や関心事に基づき顧客を分類し、各セグメントに合ったカタログの内容を設計します。

手順②ターゲットのニーズに合わせたカスタマイズ

ターゲットとする市場や顧客セグメントが明確になれば、そのターゲットに合わせてカタログの掲載内容をカスタマイズしていきます。

顧客がどのような情報を求めているかを深掘りし、ターゲットのニーズに直接応える製品やサービスをカタログで強調しましょう。特に、顧客が抱える課題を解決する機能や利点を詳しく紹介できるように誌面を構成するのが大切です。

ここで気を付けたいのが、自社がどんなに伝えたい内容でも、顧客のニーズに合わない情報は極力書き加えないようにすることです。ターゲット顧客が興味関心を持ち続けられるような情報に絞ってカタログに載せる情報を取捨選択します。

手順③カタログデザインの最適化

通常、カタログデザインはブランドイメージに沿うように作られますが、特定の市場をターゲットとする場合、ブランドイメージに配慮するだけでなく、ターゲット顧客が魅力的に感じるようなデザインを選択する必要があります。

たとえば若年層にはカジュアルなトーンを、ビジネス顧客にはより専門的なトーンを用いるなどが考えられます。また、視覚的要素(写真、グラフィック、色使い)をターゲット市場の好みや文化に合わせて調整することで、カタログがより魅力的で親しみやすいものになるでしょう。

なお、カタログデザインのポイントにつきましては、下記の記事でも解説をしていますので、ぜひ参考にご覧ください。

参考記事

WEBカタログの併用で情報の不足を補う

特定の市場や顧客セグメントに特化したカタログでは、伝えたい情報を全て伝えきることができない場合も少なくないでしょう。

そのような場合に活用できるのがWEBカタログです。

紙カタログは顧客のニーズに情報を特化させ、より詳しい情報はWEBカタログに掲載します。紙カタログにQRコードやURLを掲載し、興味関心を持った顧客がより深い情報を求めたら簡単にアクセスできるようにします。 WEBカタログは紙カタログよりも情報の更新が容易なため、紙カタログの補完情報を載せるだけでなく、新製品の情報や新たな顧客ニーズが生まれた際にそれに合わせて情報を追加すると良いでしょう。

まとめ

この記事では、営業に活用できるカタログの作り方として、目的別のカタログタイプの選び方や、営業用カタログの作成手順を解説しました。

カタログは一度お客様の手に渡れば、目にする度に製品をアピールしてくれる営業ツールです。

総合カタログ一種類だけでなく、ニーズに合わせてカタログをカスタマイズし、使い分けることでさらなる営業効果が期待できるでしょう。

なお、マーケティングにおけるカタログの活用方法につきましては、下記の記事でも解説をしていますので、ぜひ併せてご覧ください。

参考記事

  • この記事を書いた人

タクトシステム制作チーム

カタログ制作が得意なDTPオペレーター・デザイナーです。企業の販促担当様に向けたノウハウを発信しています。

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