今回は、カタログの「コンペ」について書きたいと思います。
「カタログをリニューアルしたいので、コンペに参加してください」と言われることが多くあります。発注側・受注側それぞれの視点からコンペについて考えてみましょう。
カタログのコンペとは?
コンペティション(competition)の略ですね。辞書を引くと、競い合わせて優劣をつけること、とあります。カタログのコンペの場合には、表紙案、前段階の企画構成、商品ページの見せ方などが問われることが多いように思います。また、商品点数(カタログのページ数)が多い場合には、商品の検索性を如何に高めるか、といったところが焦点になることも多くあります。
発注サイドからみたコンペ
企業様によってはあらゆる案件をコンペでお決めになる、というお客様もいらっしゃいます。ただ何事にも良い面と悪い面があります。以下にコンペのメリットとデメリットをまとめてみます。
一般的にはこんな感じになろうかと思います。
メリット
・多くの制作会社から、良い提案を幅広く募ることができる。
・デザインの選択肢が増え、マンネリ化を防ぐことができる。
・予算を抑えることが可能になる。
注意点
・RFP(提案依頼書)を正確にまとめないと、意図した提案が集まらない。
・コンペに通りやすい(注目を集めやすい)企画提案が増える。
・実作業を発注した際の対応面など、コンペではわからないことも多い。
また、コンペにあたっては、だれが、どのように評価し、発注先を決定するか、を事前に決めておくことが大切です。公平性を考えて関係部署全員の投票制にすると、斬新な提案ほど通りにくい、といった結果を招く場合もありますので注意が必要です。
受注サイドからみたコンペ
コンペに参加するからには、勝たなければならないのが受注側の視点。
発注主の希望が詰まったRFPを熟読することはもちろんのこと、RFPに書ききれなかった思いをうかがい、企画を考えていきます。お話をうかがってみると、「RFPではこう書いたけど、実は…」なんてお話も多くあります。まずは、現状のお困りごと、コンペにかける思いをヒアリングするところから、プロジェクトがスタートします。
お話をうかがい、最終的なプレゼンテーションに向けて、下記の資料を仕上げていきます。
- ご提案書(考え方・コンセプトなど)
- デザイン案
- 体制図
- 類似する実績もしくはサンプル
- スケジュール案
- お見積書
※業務効率化の課題がある場合には、上記のほかに自動組版などのご提案を盛り込みます。
なお、受注サイドでは、コンペの内容によって、参加させていただく場合と、辞退させていただく場合があります。では、どのような判断基準で参加・不参加を決めているのでしょうか?
ケースバイケースではありますが、以下が一定の基準となります。
また、RFPがない 、プレゼンまでに日数が少ない 、コンペチターの数が多い場合には辞退させていただくことがあります。
コンペは真剣勝負
コンペは発注サイドにとっても受注サイドにとっても真剣勝負の場となります。発注サイドではRFPを練り込み、受注サイドではどういった提案が求められているのかを追求し、最終的なエンドユーザーにとっての満足を達成するための妥協のない企画が求められます。
カタログ制作の場合には特に、商品の魅力を最大限に、伝えたい人に的確に伝えることが主眼に置かれます。そのためには表現の一つ一つを見直し、よりよい言葉やデザインを磨き上げていきます。
受注サイド・発注サイドの双方が真剣に取り組み、お互いが納得できるコンペが理想的ですね。
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