カタログにおけるインデックスとは、読者が目的のページを素早く見つけるために、キーワードやトピックを体系立てた順序でリストアップした部分を指します。
インデックスとよく似たものに、「目次」があります。
目次とインデックスの違いは、その目的と使われ方です。目次は書籍の大枠を把握するために使われる一方で、インデックスは特定の情報やトピックを迅速に探し出すために使われます。
インデックスは印刷物・オンラインカタログ・Web・売り場などあらゆるシーンで使われていますが、この記事では印刷物(カタログやパンフレット)に絞って解説をしていきます。
目次
カタログやパンフレットにおけるインデックスとは?
カタログは大量の情報を掲載するため、たとえページ構成に一定のルールを設けて編集をしてあっても、情報の掲載順は煩雑になりがちです。総ページ数や掲載商品数が多くなればなるほど、「目的のページが見つけにくい」という傾向は顕著になります。
読者によっては読みたい箇所は特定の1ページだけというケースもあるため、ページ数の多いカタログで闇雲にページをめくって探すというのは大変な苦労が必要です。
そこで登場するのが「インデックス」です。
インデックスはピンポイントで目的のページにたどり着くための手がかりとして、特定のルールに基づき情報のありかを一覧表にしたものです。
インデックスの種類
一般的にインデックスとは冊子の巻頭や巻末にタイトルや商品名とその掲載ページ数を一覧にしたものが多いですが、用途や配置する場所に応じて、多くのバリエーションがあります。
<インデックスの種類>
- 目次(contents)
- 表紙や裏表紙
- 企画ページ
- 索引
- サイドインデックス
これらについて、ひとつずつ詳しく見ていきましょう。
1.目次(contents)
目次もインデックスの一種と呼ぶことができます。
冊子の巻頭や各セクションの冒頭に表示される、最も一般的なインデックスです。
主にページタイトルやカテゴリーといった内容を掲載順に列記したものが目次です。
2.表紙や裏表紙
表紙や裏表紙は、冊子を開く前に読者に情報を伝えるタイプのインデックスです。
どんなカテゴリーや商品が掲載されているのかを伝える、簡易的なインデックスと呼ぶことができます。
3.企画ページ
企画ページは、カテゴリー別や価格帯別など、読者の使いやすさを向上させるためのインデックスです。
目次などと異なり掲載順の分類ではなく、読者のニーズ別に内容を分類します。
企画ページにおける具体的なニーズについては、詳しく後述します。
4.索引
索引は、全ての商品名や製品番号から掲載ページを調べるためのインデックスです。主に巻末に収録されることが多いです。
商品を比較するために、商品仕様の一部を併記して利便性を上げることもあります。
索引の掲載順は、商品名や商品番号を「アルファベット順」または「あいうえお順」で整理することが多いです。
商品数が多い場合でも、読者が迅速に目的のページを見つけることができるというメリットがあります。
5.サイドインデックス
サイドインデックスは、俗称で「ツメ」と呼ばれている小口に接する形で配置するインデックスです。
辞書や大型カタログには必須のインデックスと言うことができるでしょう。
目的のカテゴリーにすぐアクセスできるよう、高さや色を変えて配置をします。また、大規模な印刷物ではサブカテゴリー情報を併記することもあります。
デザイン的な配慮から、トップ(上辺)やボトム(底辺)に配置される場合も少なくありません。
企画ページでニーズや目的別のインデックスを作る
読者がストレスなく目的のページを見つけられることは、カタログにとってとても重要です。ページが見つからずにカタログを閉じてしまわれたら、商品が売れる機会を失うことにつながるからです。
そのため、インデックスの作成では読者がどのような手順で商品を探すかを考えて、その手順を誌面に再現することが重要となります。
見たいページがすぐに見つかるカタログは利用頻度が高くなり、商品購入を後押ししてくれます。
カテゴリー別インデックス
カテゴリー別インデックスでは、商品やサービスを関連するカテゴリーに分類して、読者が必要な情報を見つけやすくします。
分類方法は、商品の特徴や用途別でグループ化します。
アイコンにしたり、イメージ画像を使用して、カテゴリーを直感的にも判別できるような工夫があるとより良いでしょう。
利用シーン別インデックス
利用シーン別インデックスでは、商品の使用シーンに焦点を当て、特定の状況やニーズに対応するための案内を提供します。
たとえばマップや建物の俯瞰図を軸に商品を紐付けるデザインにすることで、必要なアイテムやグループをすぐに見つけられるようにするなどです。
価格帯別インデックス
価格帯別インデックスも利便性の高いインデックスのひとつです。
商品やサービスを価格帯に分けて整理することで、読者が予算に合った選択をしやすくなります。
金額に焦点を当てることに抵抗感がある方もいらっしゃるかもしれませんが、価格帯を明確に表示することがデザインのポイントです。
インデックスのもう一つの役割
インデックスの役割は、目的のページへの誘導だけではありません。
商品構成の全体像を見せることで、上位商品や関連商品の存在を読者に伝えることもできます。また、新商品やオススメ商品の存在感を高めることも可能です。
これにより、高性能商品への変更(アップセル)や、まとめ買いやついで買い(クロスセル)による客単価アップが期待できます。
また、従来購入のないカテゴリーの新規ユーザー獲得などといった、多くの効果がインデックスにより見込めます。
上記のような役割を果たすためには、インデックスのデザインがとても重要です。
ビジュアル(画像)インデックス
ビジュアルインデックスでは、商品を文字だけでなく、商品画像を中心にインデックスを構成します。
商品形状を知っているユーザーにとっては、写真だけで目的の商品を見つけられるのがビジュアルインデックスです。
画像を中心に誌面をデザインしていくため、見た目が美しいインデックスになるのがメリットです。
これは特に、カテゴリー別インデックスのように、商品をよく知る読者向けのインデックスでしょう。
チャート式インデックス
チャート式インデックスは、Yes/Noなど質問に答えていくと、希望の商品やサービスが見つかり、その掲載ページに誘導するインデックスです。
具体的に欲しい商品が決まっていないユーザー向けで、自分の希望する機能などを選択していくことによって、欲しい商品を見つけることができます。 新規のユーザー開拓にも使えるインデックスです。
新商品・人気順インデックス
新商品・人気順インデックスでは、最新商品だけをまとめて紹介したり、人気商品をランキング形式で紹介していきます。
新商品や人気商品を際立たせることで読者の興味を引くことができ、「読んでいて楽しい」という思いからカタログをじっくりと見てもらうことができるのがメリットです。
また、読者にとってはトレンドの把握などの情報収集にも役立つため、読み物としての価値も上がります。
魅力的なインデックスを作る
この記事で紹介したインデックスの種類やニーズ別などの分類は、あくまで一般的なものに限っています。
実際のカタログ作りでは、これらを組み合わせて、自社の商品群やカタログ総ページ数、読者の属性などを考慮した最適なインデックスを構築することが重要です。